6月の花嫁、または6月に結婚することを「ジューンブライド」と言いますが、6月に結婚すると「一生幸せな結婚生活をおくれる」と言われます。
しかし、6月といえば日本では梅雨の時期真っ只中で、なぜこの時期に結婚をすると幸せになれるのでしょうか。そう疑問に思われた方も多いはずです。
ジューンブライドという言葉を知っていても、意外とその意味や由来を知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなジューンブライドの意味と由来を解説したいと思います。
実はジューンブライドの由来にはいくつかの説があります。
その一つ一つを見ていきましょう。
女神ユーノー説
ギリシャ神話で「全知全能の神」として知られる「ゼウス」ですが、そのゼウスの正妻を「ヘーラー」といいます。
ヘーラーは「最高位の女神」として知られています。
実はヘーラーは略奪愛で正妻となり、ゼウスには別に妻がいました。
略奪愛で勝ち取った正妻の座ですが、その代償も大きく、ゼウスはとても浮気性でした(実はギリシャ神話の男の神は皆結構浮気性だったりするのです(^_^;))。
ヘーラーはゼウスに浮気されないよう、監視の目を光らせ、家庭をより良いものにするために必死でした。
その姿からヘーラーは「結婚生活を守護する女神」といわれています。
また、ヘーラーの母乳を飲んだ者は肉体が強くなるともいわれ、ヘーラクレースもこれを飲み、乳幼児時代から驚異的な怪力を発揮したといわれます。
女性であり、母であるヘーラーは、家庭を守り、子どもを守る「結婚生活を守護する女神」なのですね。
ヘーラーはとても美しく、その美しさは他の女神が血の気を失うほどで、あのアフロディーテ(ヴィーナス)に勝るとも劣らない美しさだったそうです。
ギリシャからローマにこの話しが持ち込まれると、ゼウスは「ユーピテル」、ヘーラーは「ユーノー」と呼ばれるようになります。
いわゆる「ローマ神話」です。
そしてこのユーノーが6月1日にお祭りされるようになりました。
結婚生活を守護する女神ユーノーが祭られた6月に結婚をすると、その加護を受けられ、一生幸せな結婚生活を送ることができるといわれる所以です。
英語で6月の事をジューン(June)と言いますが、それは女神ユーノー(Juno)からきている言葉なのです。
結婚解禁の月説
その昔、ヨーロッパでは3月〜5月の結婚を禁じていました。
その理由は、一年のうち一番農作業で忙しい時期だからです。
そんな時期に結婚式を挙げると、農作業の妨げとなってしまうため、3〜5月の結婚は禁止されていたのです。
その期間に結婚をお預けしていたカップルは、6月になると皆一斉に結婚をします。
6月、街は一気に祝福ムードで高まり、6月に結婚をすると幸せになれるという説です。
一番気候が良いから説
実はヨーロッパでは6月が一番気候が良い月なのです。
雨も少なく気候も安定しています。
長い冬が明けて、花が咲き始める頃で、一般的に開放的で明るいムードが漂う季節でもあります。
各地では復活祭などのお祭りも行われ、相乗効果で祝福ムードで盛り上がる月でもあるんですね。
こんな祝福ムードの中で、6月に結婚した花嫁は幸せになれるという説です。
日本では
では、梅雨の時期の日本では、なぜジューンブライドが幸せになれるのでしょうか?
実は日本では、1967年〜68年に、ホテル業界やブライダル業界が売り上げ向上を狙って「ジューンブライド戦略」を打ち出したのがきっかけと言われています。
日本では6月は梅雨の時期で、雨が多いこの時期に挙式をする人はあまりいませんでした。
そこで、ブライダル業界がヨーロッパのジューンブライドの言い伝えを広め、6月に挙式するカップルを増やしたと言われています。
日本でのジューンブライド戦略にはちょっぴりガッカリしてしまいそうですが、それでもヨーロッパのジューンブライドの言い伝えがあることには変わりはありません。
この時期にご結婚される方にもぜひ6月の花嫁「ジューンブライド」の意味を知っていただき、生涯幸せな結婚生活を送ってほしいものです。
まとめ
日本では梅雨の時期なのに、なぜ「ジューンブライド」が幸せになれるのか、その意味と由来はヨーロッパの言い伝えにありました。
- 6月の結婚生活の女神ユーノーの加護を受けられるから。
- 昔のヨーロッパでは、3〜5月の結婚は禁止されていて、6月に結婚が集中し、祝福ムードが高まるから。
- ヨーロッパでは一番気候が良く、開放的ムードが漂うから。
日本ではホテル業界やブライダル業界の戦略でもありましたが、ジューンブライドが幸せになれるというヨーロッパの言い伝えがあることに変わりはありません。
どうぞ、6月にご結婚される方は、末永く一生幸せな結婚生活を送れることを祈り申し上げます。